私の一生の宝物

私は現在高齢者福祉施設で施設長をしていますが、20年前、この業界に入ったときに頂いた宝物があります。

私は当時、特養で働いていたのですが、4月にデイサービスの立上げのために異動となり、在宅介護支援センターや行政などへの広報活動で忙しい日を送っていました。

ご利用者様の登録が0の日が数日続いていたのですが、やっと初めての方が登録され、5月からご利用開始となりました。

その方は女性でパーキンソン病を患っており、全身の筋力低下が進んでいた方で、当時80歳くらいだったと思います。歩行も手引きを希望され、車椅子の使用を拒否されていました。

私達もなんとかその方の希望にそう介護を続けていました。

月日は流れ、クリスマスの日。

その方から手縫いのベストを頂いたのです。手指も麻痺が進んでいたのに、ミシンを使わずに、毎日少しずつ手縫いでつくってくれてたそうです。ちゃーんと、裏地もついているんです。ところどころ、縫い目が粗いですが。

本当に嬉しかった、泣いてしまいました。

この業界、利用者さんからの貰いものはだめですが、ご家族の希望もあり私はありがたく頂きました。

私はいろいろな事情があり、転職しましたが、
風の噂では、間もなくお亡くなりになったとのこと。

私の一生の宝物です。

ペンネーム:すずきみのる(高齢者複合施設 施設長)

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女性の願いに対して、すずきさんの応えようとする姿勢に感謝し、クリスマスプレゼントという形で返されたんですね。受け取ったプレゼントをじっくり見ながら、一針一針の縫い目を撫でられたのではないかなと読み進めていました。

宝物にまつわる素敵なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

 

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